北海道ひとり旅⑤青い池と旭川動物園

北海道3日目。この日、私はついにひとりバスツアーデビューを果たす。

朝早くゲストハウスを出て集合場所のホテルに向かう。集合場所の入り口にはサラリーマン風の男性、腰が曲がったおじいちゃん、ランドセルを背負った女の子。

このバスツアー、老若男女問わずすぎないか?という一抹の不安を胸に、一向に人が増える気配のない場所で集合時間になるのを待つ。

少しするとホテルから資料を抱えたお姉さんが出てきた。

あたりを見回し、私に狙いを定めたかと思うと「バスツアーのお客様ですか?」と聞いてきた。旅行会社の人だった。

どうやらこのホテルには入り口が2箇所あり、毎回必ずこちらの間違った入り口で待っている参加者がいるらしい(私)。

そんな参加者を連れ戻すべくこちらの入り口をチェックしにきたら、これから平日を迎える社会人や学生に混じり、リュックにキャップにスニーカー、ペットボトルまで握った明らかに遠足スタイルの女を発見したということだ(私)。

危ない。あのまま発見されなかったらウキウキの格好で置いてけぼりになるところだった。

バスは平日だといういうのに満席。

こんな会話を聞きながら最初に目指すのは旭川動物園。

そもそもバスツアーに参加した理由は絶景スポットして有名な”青い池”に行くためだった。滞在している札幌市内から、「白金青い池」がある美瑛に行くには電車やレンタカーでは時間もお金もかかりすぎる。そんな中、青い池をはじめ旭川動物園やファーム富田など北海道の観光名所を回る観光バスがあると知り、さらに個人で回るより断然に料金が安いこともあってすぐに申し込んだのだ。

しかし、実のところ私は動物が結構苦手である。まだ子猿のようだった幼少期に、じゃれて飛びついてきた大型犬にめちゃくちゃにされて以来全くダメになった。

ということで案の定それほど気分は上がらず(動物が苦手な人間が一人で動物園行ってもなあ…まあ時間がすぎるまでふらふらするか~)という気持ちで入園。

旭川動物園到着後のツイートがこちら。

なんでも楽しめる子に産んでくれてありがとう両親。

旭川動物園、下調べせず事前知識ゼロで行ったのだが感動した。お客さんを楽しませようという工夫がすごい。

猿が頭上を移動したり、ペンギンに混ざって水中を歩けたり。様々な角度から活動中の動物を観察できるようになっていて、これが非常に面白い。うっかりめちゃくちゃ楽しんでしまった。

そして絵本の世界のカバを想像し「カバさん見に行こ~!」と笑顔でカバコーナーに突入していった子供が、実物のカバにドン引き&泣き叫びながら入り口から飛び出してきた光景は忘れられない。

 

その後バスは美瑛パッチワークの路を経由し、一番楽しみにしていた青い池へ。

 

これが”青い池”と呼ばれる不思議な人造池だ。人造といっても故意に作られたのではなく防災対策の工事でたまたまできた池らしい。実際は写真の何倍も澄んでいた。人生で初めてスマホの画質の悪さを恨んだ日かもしれない。

池の青さは天気によって左右されるらしく、この日は100%の状態ではなかったがそれでも水面に反射した木々や、透明なのに青々とした池にはうっとりした。本当に幻想的な光景だった。

別の観光客がDA PUMPのU.S.A.を口ずさんでいたせいで「カモンベイビーアメリカ」のフレーズが頭から離れなくなったり、腕に止まったてんとう虫をたまたま近くにいたマダムに取ってもらいアハハウフフしたりしていたら自由時間終了になってしまった。大慌てでバスに戻る。

途中、「待って」という声が聞こえた気がした。私には関係ないだろうと無視して小走りを続けると今度は若干キレ気味な「待って!」が追いかけてきた。

え、わたし!?と振り返ると知らないおばちゃんが「空いてる!」「あぶない!」と私の背中を指さしている。背中を見れば「大 全 開」といわんばかりに豪快にリュックのチャックが空いており、中身が丸見えになっていた。

驚愕と羞恥で「んっふぉ!?」みたいな声が出た。

幸い落とし物はなかったが、はたから見れば「逃げる私と追いかけるおばちゃん」の図になっていたはず。何はともあれ親切な人だった。ちょっと怒ってたけど。

なんかこの日はいろんな人に助けてもらったなあ。

 

最後の観光スポット、ファーム富田。

鮮やかなお花や手を繋いで歩くカップルに囲まれ「一人でくる場所じゃねえな…」としみじみラベンダーソフトクリームを舐め、ツアーは終了。

 

余った全国旅行支援クーポンを使い、北海道のコンビニ セイコーマートで北海道っぽいものを爆買いし宿に戻った。

盛りだくさんの一日だった。

 

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